ヘブライ語Alefbet道場
י

ヨード

Yod / Yodh
発音 /y/・母音字(î / ê)
順番 アレフベット第10文字
語源 手(yad)

字形の由来

ヨードの字形は、古代フェニキア文字で「手(יָד / yad)」を象形したものに由来します。腕から伸ばした手の形がやがて単純化され、現代のヘブライ文字 י はアレフベット22文字の中で最も小さな文字となりました。イエスはマタイ5:18で「律法の一点一画(ヨタ一つ)も消えることはない」と語りましたが、この「ヨタ」こそがヨード(י)を指します。

ヨードは子音 /y/ を表すほか、ヒレク・ヨード(י ִ / î)・ツェレ・ヨード(י ֵ / ê)の母音字としても機能します。最も重要な点は、旧約聖書の神の御名テトラグラマトン(יהוה)の最初の文字であることです。最小の字でありながら、聖書において最も重要な語の頭文字を担うのがヨードです。

聖書の単語

יְהוָה
YHWH(主)
主(神の固有名・テトラグラマトン)
旧約聖書に6,800回以上登場する神の固有名。子音のみで י・ה・ו・ה の4文字(テトラグラマトン)で記される。ユダヤの伝統では畏敬から発音せず、代わりに「アドナイ(אֲדֹנָי / 主よ)」と読む。出エジプト3:14でモーセに「אֶהְיֶה אֲשֶׁר אֶהְיֶה(私はある、私はあるという者)」と自己啓示された名前と深く結びつく。
יִשְׂרָאֵל
Yisrael
イスラエル(神と格闘する者)
創世記32:29でヤコブが神(あるいは天使)と格闘した後に与えられた名前。「שָׂרִיתָ עִם אֱלֹהִים(あなたは神と格闘した)」という意味を持ち、以後ヤコブの子孫・民族・国家の名称となる。旧約聖書で2,500回以上登場し、神の民の総称として用いられる。
יוֹם
Yom
日、昼間、時代
旧約聖書に2,300回以上登場する基礎語。創世記1章の天地創造で「וַיְהִי עֶרֶב וַיְהִי בֹקֶר יוֹם אֶחָד(夕があり、朝があった。第一日)」と繰り返される。単数で「日」、複数 יָמִים で「日々・時代」、「יוֹם יְהוָה(主の日)」は預言文学の重要概念。
יָם
Yam
海、西(方角)
創世記1:10で神が水を集めて「יַמִּים(海)」と名付けられた場面に初出。ヘブライ語で「西」を意味する語としても使われる(地中海が西にあったため)。出エジプト記14〜15章の「葦の海(יַם סוּף)」の奇跡はイスラエルの信仰の根幹を成す出来事で、詩篇・イザヤ書でも繰り返し想起される。
יָד
Yad
手、力、権威
ヨードという文字名の語源。「手」の意味から転じて「力・権力・権威・記念碑」など多様な意味を持つ。「יַד יְהוָה(主の御手)」は神の力と介入を表す定型表現として預言書・詩篇に頻出する。申命記7:19の「大きな力と伸ばされた腕(הַיָּד הַחֲזָקָה וְהַזְּרֹעַ הַנְּטוּיָה)」でも中心語として登場する。
יָדַע
Yada
知る、理解する、親しく交わる
「知る」を表すヘブライ語の最重要動詞。単なる知識ではなく経験・関係性を通じた深い知識を指す。創世記3:5で蛇が「כֵּאלֹהִים יֹדְעֵי טוֹב וָרָע(善悪を知る神のようになる)」と誘惑する場面に登場。「アダムはエバを知った(יָדַע)」(創世記4:1)のように夫婦の親密さにも使われる。
יָשַׁע
Yasha
救う、救済する
「救い」を表すヘブライ語の根幹動詞。名詞形 יְשׁוּעָה(救い)は詩篇・イザヤ書に多数登場し、固有名詞「ヨシュア(יְהוֹשׁוּעַ)」「イエス(ギリシア語: Ἰησοῦς)」の語源でもある。詩篇118:25の「הוֹשִׁיעָה נָּא(どうか救ってください)」はイエスのエルサレム入城で叫ばれた「ホサナ」の原語。
יָרֵא
Yare
恐れる、畏れる、敬う
「神を恐れること(יִרְאַת יְהוָה)」は旧約聖書の知恵文学の中心概念。箴言1:7の「יִרְאַת יְהוָה רֵאשִׁית דָּעַת(主を恐れることは知識の初め)」はこの概念の代表的表現。創世記22:12でアブラハムが息子を捧げようとした後に「יְרֵא אֱלֹהִים אַתָּה(あなたが神を恐れる者であることがわかった)」と告げられる。
יוֹסֵף
Yosef
ヨセフ(加える、増やす)
「神がもう一人加えてくださるように(יֹסֵף יְהוָה לִי בֵּן אַחֵר)」(創世記30:24)というラケルの祈りから命名された固有名詞。創世記37〜50章の「ヨセフ物語」の主人公であり、兄弟による裏切り・エジプト奴隷・投獄・宰相就任という大逆転の生涯は、神の摂理を示す旧約聖書最長の物語として読み継がれている。
יְרוּשָׁלַיִם
Yerushalayim
エルサレム(平和の基礎・平和の住処)
旧約聖書に800回以上登場するユダの都。「シャローム(שָׁלוֹם)」と同語根を含むと解釈され、「平和の住処」を意味するとされる。ダビデが占領してイスラエルの首都とし(サムエル記下5:6–9)、ソロモンが神殿を建てた聖なる都。詩篇122:6の「שַׁאֲלוּ שְׁלוֹם יְרוּשָׁלָיִם(エルサレムの平和を求めよ)」はユダヤの礼拝で今も唱えられる。
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アレフベット全22文字

א Alef ב Bet ג Gimel ד Dalet ה He ו Waw ז Zayin ח Het ט Tet י Yod כ Kaf ל Lamed מ Mem נ Nun ס Samekh ע Ayin פ Pe צ Tsade ק Qof ר Resh שׁ Shin ת Tav
טテート カフכ

聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。

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