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ר

レーシュ

Resh
発音 /r/
順番 アレフベット第20文字
語源 頭(rosh)

字形の由来

レーシュの字形は「頭(רֹאשׁ / rosh)」を象形したものに由来します。古代フェニキア文字では人の横顔・頭部のような形をしており、ギリシア文字のロー(Ρ)やラテン文字の R の祖先にあたります。

レーシュは旧約聖書で最も重要な文字の一つです。רוּחַ(霊・風・息)は創世記1:2の天地創造で最初に登場し、聖書神学の根幹概念を担います。また רָחֲמִים(憐れみ)・רָפָא(癒す)・רָחַץ(洗う)など神の慈悲と救済を表す語の多くがレーシュで始まることも特徴的です。ダレトとレーシュは字形が非常に似ており(ד と ר)、写本の誤写が起きやすい文字として聖書学でも注意が払われます。

聖書の単語

רֹאשׁ
Rosh
頭、先頭、指導者、始め
レーシュという文字名の語源。「頭」から「先頭・首長・始まり」へと意味が広がる。「בְּרֵאשִׁית(初めに)」(創世記1:1)の語根。ユダヤ新年「ロシュ・ハシャナ(רֹאשׁ הַשָּׁנָה)」は「年の頭」を意味し、詩篇118:22の「לְרֹאשׁ פִּנָּה(要の石・礎石)」はイエスが自身に適用する節(マタイ21:42)。
רוּחַ
Ruach
霊、風、息、気息
旧約聖書の最重要神学語の一つ。創世記1:2の「וְרוּחַ אֱלֹהִים מְרַחֶפֶת עַל פְּנֵי הַמָּיִם(神の霊が水の面を動いていた)」に初出。「霊(精神的存在)」「風(自然現象)」「息(生命の源)」の三つの意味を文脈によって使い分け、ヘブライ語の世界観で霊と物質が分かちがたく結びついていることを示す。
רָאָה
Raah
見る、見える、経験する
創世記1章で神が被造物を「見て(וַיַּרְא אֱלֹהִים כִּי טוֹב)」良しとされる場面に繰り返し登場する最重要動詞の一つ。単なる視覚を超え「経験する・悟る・顧みる」の意味も持つ。「主の山に備えがある(יְהוָה יִרְאֶה)」(창世記22:14)は「主は見てくださる・備えてくださる」を意味し、「エホバ・エレ」として信仰の告白になる。
רָחֲמִים
Rachamim
憐れみ、哀れみ、母の胎(複数形)
「子宮(רֶחֶם)」と同語根で、母が子を胎内で抱く深い愛情から「慈悲・憐れみ」を意味する。出エジプト34:6の神の自己啓示「יְהוָה יְהוָה אֵל רַחוּם וְחַנּוּן(主、主、憐れみ深く恵み豊かな神)」のラーホームはこの語根から。イザヤ49:15の「女が自分の乳飲み子を忘れるだろうか…わたしはあなたを忘れない」では神の憐れみが母の愛に比較される。
רָע
Ra
悪い、悪、不幸、悪しき者
創世記2:9の「עֵץ הַדַּעַת טוֹב וָרָע(善悪の知識の木)」で טוֹב(良い)の対義語として旧約最初の場面から登場する。形容詞・名詞として「悪・不幸・害」を幅広く指し、「כָּל רָע(あらゆる悪)」「הָרָע בְּעֵינֵי יְהוָה(主の目に悪いこと)」という定型表現で旧約の道徳・歴史判断の基準語として機能する。
רָפָא
Rafa
癒す、回復させる
肉体的な病の癒しから霊的・道徳的な回復まで幅広く使われる動詞。「יְהוָה רֹפְאֶךָ(癒す主)」(出エジプト15:26)は神の名の一つで「エホバ・ラファ」として礼拝で用いられる。詩篇103:3の「הָרֹפֵא לְכָל תַּחֲלֻאָיְכִי(あなたのすべての病を癒される方)」、エレミヤ17:14の「רְפָאֵנִי יְהוָה וְאֵרָפֵא(主よ、癒してください。そうすれば私は癒される)」が代表的な用例。
רֵעַ
Rea
隣人、友人、仲間
レビ記19:18の「וְאָהַבְתָּ לְרֵעֲךָ כָּמוֹךָ(隣人をあなた自身のように愛せよ)」の中心語。イエスが「大切な戒め」として引用(マタイ22:39)した旧約倫理の頂点を構成する語。十戒の「隣人(רֵעַ)に関する戒め」(出エジプト20:16〜17)でも繰り返し登場し、「神への愛」と並ぶ旧約倫理の二本柱を形成する。
רָשָׁע
Rasha
悪しき者、罪人、有罪の者
詩篇1篇で「義人(צַדִּיק)」の対として冒頭から提示される語。「לֹא כֵן הָרְשָׁעִים(悪しき者はそうではない)」という対比が詩篇全体の倫理的枠組みを形成する。裁判の文脈では「有罪判決を受けた者」、日常では「神への反逆者・道徳的悪人」を指し、出エジプト9:27でファラオが「אֲנִי הָרָשָׁע(私が悪者だ)」と告白する場面にも登場する。
רַב
Rav
多い、偉大な、多くの、ラビ(先生)
「数・量・大きさが多い」を意味する形容詞・副詞で旧約に約500回登場する基礎語。「כִּי רַב חַסְדֶּךָ(あなたの慈しみは大きい)」(詩篇69:14)のように神の性質を表す定型表現に頻出する。後期ヘブライ語・ユダヤ教では「先生(ラビ)」を意味する称号として発展し、新約でイエスが「ラビ(先生)」と呼ばれる呼称(ヨハネ1:38等)の語源。
רִנָּה
Rinnah
喜びの叫び、歓声、賛美の歌
大きな喜びや期待の高まりを表す感情的な叫びを指す語。詩篇126:2の「אָז יִמָּלֵא שְׂחוֹק פִּינוּ וּלְשׁוֹנֵנוּ רִנָּה(そのとき私たちの口は笑いで満たされ、私たちの舌は喜びの歌声で満たされた)」は帰還の喜びを表す。詩篇篇では祈りの訴えを「רִנָּה(叫び)」と表現することもあり(詩篇88:3)、喜びの歓声と切迫した祈りの声の両方に使われる。
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アレフベット全22文字

א Alef ב Bet ג Gimel ד Dalet ה He ו Waw ז Zayin ח Het ט Tet י Yod כ Kaf ל Lamed מ Mem נ Nun ס Samekh ע Ayin פ Pe צ Tsade ק Qof ר Resh שׁ Shin ת Tav
קコーフ シンשׁ

聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。

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