ヘブライ語Alefbet道場
מ

メム

Mem
発音 /m/・語尾形 ם(メム・ソフィート)
順番 アレフベット第13文字
語源 水(mayim)

字形の由来

メムの字形は「水(מַיִם / mayim)」を象形したものに由来します。古代フェニキア文字では波紋のような形をしており、水の揺らぎを表していたとされます。現代のヘブライ文字 מ(語中・語頭形)と ם(語尾形・メム・ソフィート)は、同じ音 /m/ を表しながら形が大きく異なります。語尾形は四角く閉じた形で、単語の末尾にのみ使われます。

メムは接頭辞としても多用され、「〜から」を意味する前置詞 מִ / מֵ として後続語に付きます。また分詞・名詞派生のミ(מ-)接頭辞としても機能し、多くの重要な名詞を形成しています。旧約聖書の神学用語の多くがメムで始まることからも、この文字の重要性がうかがえます。

聖書の単語

מַיִם
Mayim
水(複数形のみ)
ヘブライ語で「水」を表す語は常に複数形で用いられる。創世記1:2「וְרוּחַ אֱלֹהִים מְרַחֶפֶת עַל פְּנֵי הַמָּיִם(神の霊が水の面を動いていた)」に初出し、天地創造において水は秩序に先立つ原初の素材として登場する。出エジプト17章の「岩から水を出す奇跡」、詩篇23:2の「מֵי מְנֻחוֹת(憩いの水)」など、神の供給と救いの象徴として全聖書に通底する。
מֶלֶךְ
Melech
王
旧約聖書の政治・神学の中心語。「מֶלֶךְ יִשְׂרָאֵל(イスラエルの王)」は人間の王を指すとともに、「מֶלֶךְ מַלְכֵי הַמְּלָכִים(王の王の王)」は神の絶対的主権を表す。詩篇10:16「יְהוָה מֶלֶךְ עוֹלָם וָעֶד(主は世々限りなく王である)」に代表されるように、神の王権は旧約聖書の礼拝の中心テーマ。
מֹשֶׁה
Moshe
モーセ(水から引き上げられた者)
出エジプト記2:10でファラオの娘が「水から引き上げた(מְשִׁיתִהוּ)」ことにちなんで命名された固有名詞。イスラエルをエジプトから導き出し、シナイ山で律法を受け取り、幕屋の建設を監督した、旧約聖書最大の指導者。申命記34:10では「נָבִיא עוֹד בְּיִשְׂרָאֵל כְּמֹשֶׁה(モーセのような預言者はイスラエルに二度と現れなかった)」と記される。
מִצְרַיִם
Mitsrayim
エジプト
旧約聖書で700回以上登場する地名。双数形(-ַיִם)はエジプトの南北(上エジプト・下エジプト)の二分割を示すとも解釈される。創世記12章のアブラハムの避難からはじまり、ヨセフ物語・出エジプト・荒野の旅・バビロン捕囚まで、イスラエルの歴史において「束縛と解放」の象徴として繰り返し言及される。
מִשְׁפָּט
Mishpat
正義、裁き、法、判決
旧約聖書の社会倫理・神学の核心語。「正義(מִשְׁפָּט)と公正(צְדָקָה)」はペアで預言書に繰り返し登場し(アモス5:24「正義を水のように流れさせよ」等)、神が社会から求める倫理的要求を表す。レビ記19:15の「弱い者に味方せず、力ある者に媚びず、公正に(בְּמִשְׁפָּט)裁け」など、司法的正義の文脈でも使われる。
מִצְוָה
Mitzvah
命令、戒め、律法の規定
神がイスラエルに与えた命令・戒律を指す語。ラビ・ユダヤ教では旧約聖書の戒律が613あるとされ(肯定的戒律248・禁止的戒律365)、それぞれを「ミツワー」と呼ぶ。申命記6:25の「וּצְדָקָה תִּהְיֶה לָּנוּ כִּי נִשְׁמֹר לַעֲשׂוֹת אֶת כָּל הַמִּצְוָה הַזֹּאת(この命令を守り行うなら義とされる)」に代表されるように、律法遵守と神の義の関係を語る文脈で中心的な語。
מְנוֹרָה
Menorah
燭台、七枝の燈台
幕屋・神殿の至聖所に置かれた七枝の黄金の燭台。出エジプト25:31〜40に詳細な設計図が記され、ユダヤのシンボルとして今日まで受け継がれている。ゼカリヤ4:2の幻でも登場し、神の光・啓示・ユダヤ民族のアイデンティティを象徴する。現代のイスラエル国の国章にも מְנוֹרָה が用いられている。
מָוֶת
Mavet
死、死の力
חַיִּים(命)の対義語。旧約聖書では死は単なる生物的終焉を超え、「神の命の領域から切り離された状態」として神学的に理解される。雅歌8:6の「עַזָּה כַמָּוֶת אַהֲבָה(愛は死のように強い)」は文学的名句として名高く、ホセア13:14の「אֶהְיֶה מָוֶת מַכֹּתֶיךָ」はパウロが引用する復活の預言の背景語でもある。
מִקְדָּשׁ
Miqdash
聖所、聖なる場所、神殿
「聖別する(קָדַשׁ)」という語根から派生した名詞で、神の臨在が宿る場所を指す。幕屋の聖所、ソロモン神殿、第二神殿などすべて מִקְדָּשׁ と呼ばれた。出エジプト25:8の「וְעָשׂוּ לִי מִקְדָּשׁ וְשָׁכַנְתִּי בְּתוֹכָם(彼らが私のために聖所を作るなら、私は彼らの中に住もう)」は神の臨在と礼拝の神学を凝縮した命令。
מַלְאָךְ
Malach
使者、天使
「使者・伝令」を基本の意味とし、文脈によって人間の使者にも神の使者(天使)にも使われる。創世記18章でアブラハムを訪れた三人の人物、出エジプト14:19の「神の使者(מַלְאַךְ הָאֱלֹהִים)」、預言書の最後を飾る「מַלְאָכִי(マラキ:私の使者)」書も同語。ヘブライ語 מַלְאָךְ がギリシア語に訳されると「ἄγγελος(アンゲロス=英語 angel の語源)」となる。
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アレフベット全22文字

א Alef ב Bet ג Gimel ד Dalet ה He ו Waw ז Zayin ח Het ט Tet י Yod כ Kaf ל Lamed מ Mem נ Nun ס Samekh ע Ayin פ Pe צ Tsade ק Qof ר Resh שׁ Shin ת Tav
לラメド ヌンנ

聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。

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