ヘブライ語Alefbet道場
ק

コーフ

Qof / Qoph
発音 /q/(口蓋垂閉鎖音)
順番 アレフベット第19文字
語源 針の目・後頭部(qof)

字形の由来

コーフの字形は「針の目」または「後頭部」を表す語に由来するとされます。古代フェニキア文字では円と縦棒を組み合わせた形をしており、現代のヘブライ文字 ק に変化しました。

コーフが表す /q/ は、カフ(כ)の /k/ よりもさらに喉の奥(口蓋垂)で発音される閉鎖音です。アラビア語では両者の区別が明確に保たれていますが、現代のイスラエル・ヘブライ語では両者とも /k/ で発音されます。旧約聖書でコーフから始まる語の中で最も重要なのは קָדוֹשׁ(聖なる)と קֹדֶשׁ(聖所・聖性)の語群で、ヘブライ語神学の核心概念を担います。

聖書の単語

קָדוֹשׁ
Qadosh
聖なる、区別された、清い
旧約聖書神学の最重要語の一つ。「区別されている・他と切り離されている」が基本の意味で、そこから「聖なる・純粋な・神聖な」へと展開する。イザヤ6:3で炭(セラフィム)が「קָדוֹשׁ קָדוֹשׁ קָדוֹשׁ יְהוָה צְבָאוֹת(聖なる、聖なる、聖なる万軍の主)」と三重に叫ぶ場面は聖書で最も荘厳な神顕現の一つ。レビ記19:2の「קְדֹשִׁים תִּהְיוּ כִּי קָדוֹשׁ אֲנִי יְהוָה אֱלֹהֵיכֶם(わたしが聖であるから、あなたたちも聖なる者となれ)」は旧約倫理の根拠を神の性質に置く宣言。
קֹדֶשׁ
Qodesh
聖性、聖なるもの、聖所
קָדוֹשׁ(形容詞)と同語根の名詞。「聖所・聖なる場所(קֹדֶשׁ הַקֳּדָשִׁים=至聖所)」「聖なるもの・聖別されたもの」「聖なる日(安息日)」など幅広く使われる。至聖所(Holy of Holies)を意味する קֹדֶשׁ הַקֳּדָשִׁים は最上級の表現で、幕屋・神殿の最も内側の部屋、契約の箱が置かれた場所を指す。
קָרָא
Qara
呼ぶ、読む、宣言する
「声を上げて呼ぶ」を基本の意味とし、「呼びかける(祈る)」「名を呼ぶ(命名)」「読み上げる(朗読)」「宣言する(預言)」など多様な文脈で使われる最頻出動詞の一つ。創世記1:5で神が「וַיִּקְרָא אֱלֹהִים לָאוֹר יוֹם(神は光を昼と呼ばれた)」と命名する行為にはじまり、「主の御名を呼ぶ(בְּשֵׁם יְהוָה קָרָא)」という礼拝行為の定型表現(創世記4:26等)でも機能する。
קוֹל
Qol
声、音、轟き
旧約聖書で500回以上登場する基礎語。「קוֹל יְהוָה(主の声・音)」は詩篇29篇の主テーマで、「雷・荒野・水・炎の声」として神の臨在を描写する。列王記上19:12の「קוֹל דְּמָמָה דַקָּה(静かで細い声)」でエリヤが聞いた神の声は有名。申命記4:12で「声は聞こえたが形は見えなかった」とシナイの啓示が声(言葉)中心であることを強調する。
קָרַב
Qarav
近づく、接近する、近い
「神に近づく」という礼拝・祈りの行為を表す重要動詞。出エジプト3:5でモーセが燃える柴に近づこうとした際「אַל תִּקְרַב הֲלֹם(ここに近づいてはならない)」と制止される。詩篇34:19の「קָרוֹב יְהוָה לְנִשְׁבְּרֵי לֵב(主は心の砕けた者に近い)」では神が人間に近づく側面が強調される。名詞形 קָרְבָּן(奉げもの・犠牲)もこの語根から。
קוּם
Qum
立つ、起き上がる、立ち上がる
旧約聖書に500回以上登場する頻出動詞。「行動を開始する」「決意を固める」「成就する(約束が立つ)」など多様な意味を持つ。詩篇68:2の「יָקוּם אֱלֹהִים יָפוּצוּ אֹיְבָיו(神よ、立ち上がれ、あなたの敵は散れ)」、ルツ記1:16でルツが「כִּי אֶל אֲשֶׁר תֵּלְכִי אֵלֵךְ(あなたが行くところへ私も行く)」と決意を表明する文脈の「立つ」にも使われる。
קֶשֶׁת
Qeshet
弓(武器)、虹
「弓」と「虹」の両方を指す語。創世記9:13〜16でノアの洪水の後「אֶת קַשְׁתִּי נָתַתִּי בֶּעָנָן(わたしは雲の中に虹を置く)」と神が語り、虹が神の契約のしるしとなった。軍事的な「弓」の意味でも詩篇・預言書に多数登場し、「弓を折る(שֹׁבֵר קְשָׁתוֹת)」は戦争の終わりを象徴する表現として詩篇46:10に現れる。
קַיִן
Qayin
カイン(金属鍛冶・槍)
アダムとエバの最初の息子。創世記4:1でエバが「קָנִיתִי אִישׁ אֶת יְהוָה(主によって男の子を得た)」と語ったことに由来するが、名前の意味は「槍・鍛冶師」とも解釈される。弟アベルを殺した最初の殺人者(창世記4章)であり、「אוֹת לְקָיִן(カインのしるし)」は神の保護と同時に排除の記しとなった。人類の暴力・罪の深化を示す物語として旧約聖書に位置づけられる。
קָהָל
Qahal
集会、会衆、集まった民
神の前に召集されたイスラエルの集いを指す語。ギリシア語訳(LXX)では קָהָל を ἐκκλησία(エクレシア)と訳したことで、新約の「教会(エクレシア)」概念の原形となった。申命記9:10・10:4の「יוֹם הַקָּהָל(集会の日)」はシナイで律法が授与された契約の集いを指し、イスラエルが神の「集会(エクレシア)」として召し集められた出来事を示す。
קֶבֶר
Qever
墓、埋葬地
旧約聖書において墓は祖先とのつながりと死後の問題を象徴する場所。創世記23章でアブラハムがサラのために「אֲחֻזַּת קָבֶר(所有の墓地)」としてマクペラの洞穴を高額で購入する交渉は、土地への権利とカナンの地への信仰を示す物語として詳細に記録される。詩篇88:6の「שַׁתַּנִי בְּבוֹר תַּחְתִּיּוֹת בְּמַחֲשַׁכִּים בִּמְצֹלוֹת」では墓が絶望と死の世界を象徴する。
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アレフベット全22文字

א Alef ב Bet ג Gimel ד Dalet ה He ו Waw ז Zayin ח Het ט Tet י Yod כ Kaf ל Lamed מ Mem נ Nun ס Samekh ע Ayin פ Pe צ Tsade ק Qof ר Resh שׁ Shin ת Tav
צツァデー レーシュר

聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。

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