בְ
シェワ
Sheva · ə / —
記号の由来と用法
シェワ(שְׁוָא)は「均等」「空虚」を意味するとも言われるアラム語起源の語に由来するとされる。子音文字の下に縦に並べた2点(ְ)で表され、ヘブライ語テキスト全体に非常に広く現れる記号である。他の母音と大きく異なるのは、この記号が「音あり」と「音なし」の2通りに読まれる点にある。
語頭の子音の下に来るシェワは「有声シェワ(シェワ・ナ)」として、「ウェ」に近いごく短い添え音を伴って発音される。一方、長母音・短母音の直後の子音、または語末の子音の下に来るシェワは「無声シェワ」として無音扱いとなり、子音を閉じるだけで発音しない。2つのシェワが連続するとき、先のものが有声、後のものが無声になる。この区別はマソラ学者の著作で詳しく論じられ、今日のヘブライ語文法の基礎を成している。
聖書に登場する単語
בְּרֵאשִׁית
Bereshit
初めに、最初に
旧約聖書の最初の語で、創世記1:1「初めに、神は天地を創造された」の冒頭。ヘブライ語聖書(タナハ)における創世記の書名でもある。前置詞 בְּ(〜において)と名詞「始まり・頭(רֵאשִׁית)」が連結した語で、語頭の בְּ に有声シェワが置かれ「ブ」と発音する。
שְׁמַע
Shema
聞け(命令形)
申命記6:4「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である」の冒頭の1語。ユダヤ教の最重要な信仰告白「シェマ」として今日まで朝晩の礼拝で唱えられる。語頭の שְׁ に有声シェワが置かれ「シュ」と発音する。
בְּרִית
Berit
契約
神とノア(創世記9章)、アブラハム(創世記15・17章)、シナイ山でのイスラエル民族(出エジプト記19〜24章)との間で結ばれた契約を表す語。エレミヤ書31:31の「新しい契約(בְּרִית חֲדָשָׁה)」はキリスト教の「新約聖書(New Testament)」という概念の語源となった。語頭の בְּ に有声シェワ。
שְׁלֹמֹה
Shlomo
ソロモン
ダビデ王の子、イスラエル第3代の王(列王記上1〜11章)。「平和・完全」を意味する語根 שׁלם に由来する名で、知恵の王として知られ、エルサレム神殿を建設した。雅歌・箴言・コヘレトの言葉の著者とも伝えられる。語頭の שְׁ に有声シェワが置かれる。
מְנוֹרָה
Menorah
燭台(七枝の燭台)
幕屋の聖所に置かれた純金の七枝燭台(出エジプト記25:31〜40)。ユダヤ教の象徴として広く知られ、イスラエル国の国章にも採用されている。ゼカリヤ書4章では黄金の燭台が幻の中に現れ、神の霊の象徴として語られる。語頭の מְ に有声シェワが置かれ「ム」と発音する。
聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。