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בֲ

ハテフ・パタハ

Hateph-Patah · ă
音価 ă(超短い「ア」)
長さ 最短母音(ハテフ母音)
記号 喉音文字の下のシェワ+パタハの合成(ֲ)

記号の由来と用法

「ハテフ(חֲטֵף)」はアラム語に由来する語で「素早い」「掴む」を意味し、最短母音の総称として使われる。ハテフ・パタハはパタハ(短母音 a)をさらに短くしたもので、シェワと点子音パタハを重ねた記号(ֲ)で表される。三つのハテフ母音(ハテフ・パタハ・ハテフ・セゴル・ハテフ・カメツ)のうち最も頻繁に現れる。

ハテフ母音は喉音(א・ע・ה・ח)の下にのみ現れる特殊な記号である。通常の子音にシェワが置かれる位置に喉音が来ると、喉音は声門や咽頭を使って発音するため完全な無音を保てず、ほんの一瞬だけ母音の色が乗る。その「色」がどの母音に近いかによってハテフ・パタハ(ă)・ハテフ・セゴル(ĕ)・ハテフ・カメツ(ŏ)が使い分けられる。

聖書に登場する単語

אֲנִי
Ani
わたし(は)
一人称単数独立代名詞。旧約聖書全体で最も頻出する語のひとつで、詩篇・イザヤ書・エレミヤ書をはじめ全書にわたって登場する。神が自ら名乗る「わたしは〜である」という表現の主語としても多用される。語頭のא(喉音アレフ)にハテフ・パタハが置かれ「ア」と短く発音する。
אֲדֹנָי
Adonai
主(神の称号)
「わたしの主」を意味する語の複数形で、神への敬称として用いられる。テトラグラマトン(יהוה)を声に出して読むことを避けるユダヤ人の慣習から、神の固有名の代わりにアドナイと読む伝統が確立した。詩篇・イザヤ書など全書に頻出し、語頭のאにハテフ・パタハが置かれる典型的な語形。
אֲשֶׁר
Asher
〜という、〜のところの(関係詞)
旧約聖書の最頻出語のひとつで、節と節をつなぐ関係代名詞・接続詞として機能する。日本語の「〜というもの」「〜であるところの」に相当し、創世記・詩篇・申命記など全書で無数に登場する。ヤコブの子の一人アシェルの名(創世記35:26)としても用いられる。語頭のאにハテフ・パタハ。
חֲלוֹם
Halom
夢
ヨセフが夢を見て兄弟たちに語った場面(創世記37章)やファラオが2つの夢を見てヨセフに解釈させた場面(創世記41章)など、夢が物語の転換点となる箇所で繰り返し使われる。預言者への神の啓示が夢によってもたらされることも多い(民数記12:6)。語頭のח(喉音ヘット)にハテフ・パタハが置かれる。
עֲבוֹדָה
Avodah
奉仕、礼拝、労働
神への礼拝・奉仕(出エジプト記12:25-26「この礼拝(הָעֲבֹדָה הַזֹּאת)を守りなさい」など)と強制的な苦役(出エジプト記1:13-14のエジプトでの強制労働)の両方に使われる重要な語。現代ヘブライ語では「仕事」「労働」の意味でも広く用いられる。語頭のע(喉音アイン)にハテフ・パタハが置かれる。
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בֲ ă בֱ ĕ בֳ ŏ בְ ə/– בַ a בִ i בֻ u בֶ e בָ ā/o בֵ ē בֹ ō בָה â בִי î בוּ û בֵי ê בוֹ ô
ハテフ・セゴルבֱ

聖書の引用は特記のない限り、聖書 新共同訳(日本聖書協会)による。

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